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導入事例

鳥取城北高等学校 相撲場

土俵がふたつ整備された鳥取城北高等学校の相撲場。奥には厨房と浴室も整備されており、稽古のあと、生徒たちは全員この場所で食事をとる

心技体を鍛える、よりよい場所作り

  相撲場の南側に設置されたモイストプロセッサー

鳥取城北高等学校の相撲部は1969年に創設された。これまでに団体での全国制覇を34 回果たし、高校横綱も6 名輩出した全国屈指の強豪校である。鳥取県内外から生徒が集まり、共同生活をしながら切磋琢磨する日々を過ごし、日本一を目標に稽古に励んでいる。相撲部の生徒は携帯電話の所持は禁止、甘い物の飲食制限など生活規律は厳しい。その代わり食事はきちんと管理され、体をつくるための食生活も学校がサポートしている。2018 年、この稽古場にもダイナエアーのモイストプロセッサーが導入された。生徒たちにとって夏は暑く、冬は寒さが厳しい過酷な稽古場の環境が一変し、1 年を通して快適に稽古を行うことができるようになった。
相撲場におけるモイストプロセッサー導入への思いについて、理事長の石浦外喜義先生、相撲部顧問の井上俊男先生にお話をうかがった。(取材:リトルメディア 中村光恵)

理事長の石浦外喜義先生

生徒の身体づくりを妨げない道場の環境

「この相撲場に建て替える前の建物は、エアコンもなく、大人数の大柄な生徒が稽古し、汗や血が染み込んだ稽古場の床(砂)は雑菌の住処でした。相撲は素足な上に身体のぶつかり合いですから傷がつきもの。雑菌が入って化膿し、入院することもよくありました。稽古場の消毒や土の入れ替えなど気をつけてはいましたが、管理はとても難しかった。モイストプロセッサーを導入後は雑菌が減ったためか、力士が怪我をしても早く治ります。怪我だけでなく体調を崩して病院に行くことも少なくなりました」(石浦)相撲場に入った時、生徒たちが稽古に使う練習用のまわしが壁にずらっとかけてあるにも関わらず、まったく匂いがないことに驚いた。以前はカビの匂いや、練習終わりにみんなで食べるちゃんこの匂いなど、さまざまな匂いが相まって相当な臭気だったという。今はそれがなくなり、同時に夏も冬も一定の環境が保たれるようになり、稽古する環境は格段によくなったそうである。相撲部の顧問として4 年目になる井上俊男先生にも話を聞いた。

 

相撲部顧問の井上俊男先生

相撲に集中できる環境が、強い力士をつくる

「私たちが学生の頃の稽古場は、衛生的ではないし、空気はいつもジメジメしていました。稽古で常に擦り傷ができますが、それが膿んで治らない。湿度が高いので稽古していてもすぐに息が上がってしまう。当時はそれが当たり前だと思っていました。モイストプロセッサーを導入した新たな稽古場ができ、環境は一変しました。導入する話があった時、初めはその効果に期待していなかったのですが、以前は稽古が始まると汗と熱気で真っ白に曇っていた鏡がまったく曇らなくなったんです。稽古が始まっても空気がサラッとしているのは私自身も感じます。1 年を通して安定した温湿度があることで、生徒の集中力は格段上がり、怪我をすることも少なくなったし、体力の消耗も明らかに抑えられています。環境を整えることでよりよい稽古ができるようになり、それが結果に繋がってくるのではないかと期待しています」(井上)

稽古中の様子

生徒には厳しく、環境は優しく

以前は稽古をする前のアップの時点で息が上がってしまい、いざ本番の稽古の時に無理をして生徒が怪我をすることも多かったという。今は換気をすることで十分な酸素が供給され、その上で適正な温湿度に保たれる環境のため、稽古そのものの質が上がっている。辛さをいかに乗り越えるかが武道の道を極める美学と言われることもあるが、理事長の石浦先生は今それは時代錯誤ではないかと話す。
「確かに私たちの青春時代は、ただただ厳しいことに耐え、水も飲まず、稽古に励んでいました。そういう時代だったと思います。でも今は気候条件も変わり、夏の暑さも冬の寒さも厳しさを増している。体力を消耗するリスクを怖がらず、自分のパフォーマンスがしっかり出せて、それによって徐々に力を付けていく。それが大切だと思っています。これは甘やかすこととは違うのです。頂点を目指す生徒たちに、携帯電話やお菓子やジュースは必要ではない。その代わり、彼らが全力で頑張れる環境づくりを学校が行い、サポートしていく。よりよい空気環境づくりは、学校と頑張る生徒の信頼関係の構築にも寄与している。そのようにも考えています」(石浦)

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