
COLUMN
コラム2025.08.12
近年、気候変動の影響で猛暑日が増え、熱中症による労災件数は増加傾向にあります。作業員の健康管理は企業にとって重要な課題であり、適切な対応が求められています。
今回の記事では、工場で熱中症対策を怠るリスクをはじめ、熱中症対策の基本、取り組むべきことなどを解説し、弊社で扱っているおすすめ製品もご紹介します。
工場における熱中症対策をご検討中の場合にはぜひ参考にしてください。
工場内は高温環境になりやすく、夏場は熱中症のリスクが著しく高まります。密閉性の高い構造、機械や炉からの輻射熱などが原因で、外気温以上に体感温度が上がることも少なくありません。
熱中症対策を怠ると、体調不良や緊急搬送、最悪の場合は命に関わる事故につながる恐れがあります。さらに、労災発生による業務停止や企業の信用低下、損害賠償請求など大きな問題に発展するリスクもあります。安全な職場環境を維持するためには、リスクを認識した上で予防策を講じることが重要で、日頃からの備えが従業員の命と会社の信頼を守ることにつながります。
工場における熱中症対策は、作業員一人ひとりの意識だけでなく、組織全体として取り組むのが基本です。各個人が対策を徹底していても、作業環境や勤務体制によっては、熱中症リスクが高まります。
そのため、企業としては熱中症を「個人の問題」と捉えるのではなく「職場全体の課題」として認識することが求められます。熱中症による健康被害や労働災害を未然に防ぐには、個人と企業の双方が役割を果たすことが前提となるのです。
工場における熱中症対策として、具体的に取り組むべきことを「従業員」「企業」の視点に分けて解説します。
①こまめな水分補給と塩分摂取
②熱中症対策グッズの活用
③体調異変時の早期申告
④睡眠・食事などの意識した体調管理
⑤暑さに慣れる「暑熱順化」の習慣化
喉が渇く前に水分を取る、塩分補給を適切に行うといった行動は、熱中症対策の基本となります。加えて、冷却スプレーやネッククーラー、携帯型のミストファンといった熱中症対策グッズを上手に活用するのも有効です。作業内容や体調に応じて、適切なアイテムを取り入れることで体温上昇を抑えやすくなり、予防効果が高まります。
また、めまい・頭痛・吐き気など、熱中症の初期症状に気づいた際は我慢せず、速やかに周囲へ伝えることも重要です。日々の生活でしっかりと睡眠をとり、栄養バランスを考慮した食事を心がけるのも大切なことです。また、あらかじめ暑さに体を慣らす「暑熱順化」も効果的で、季節の変わり目には特に意識して取り組むべきことです。
①作業環境の温度・湿度管理(空調・換気の整備)
②休憩所・水分補給環境の整備
③WBGT(暑さ指数)を活用したリスク管理
④作業時間の短縮・ローテーションによる負荷軽減
⑤教育・訓練・マニュアル整備
まずは、空調やスポットクーラーの導入、換気設備の改善などを通じて、作業現場の温度・湿度をコントロールしやすい環境を整えるのが基本となります。加えて、休憩所を設けたり、冷たい飲料や塩飴などを支給するなど、従業員がこまめに休憩・水分、塩分補給ができる仕組みも必要です。
また、暑さによるリスクを数値で判断できるWBGT(暑さ指数)を活用し、作業可否や時間帯を適切に判断、変更することで無理な作業を防げます。作業時間の短縮やローテーション制を導入することで、特定の作業者に負担が集中することも避けられます。
安全教育や啓発活動を継続的に実施し、緊急時の対応として応急処置マニュアルの整備や救護体制の明確化も不可欠です。企業が主体的にそれらの取り組みを進めることで、安全意識が現場に浸透し、安全性の高い職場環境を実現できます。
最後に、弊社ダイナエアー株式会社が提供している工場の熱中症対策に効果的な「リキッドデシカント空調機」をご紹介します。
熱中症対策においては、温度だけでなく「湿度管理」も非常に重要です。人は汗をかくことで体温を調節しています。汗が蒸発する時の気化熱が、身体の熱を奪って体温を下げます。湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるため、体に熱がこもりやすくなります。そのため、熱中症対策には適切な温度と湿度の管理と実現が必要となります。
本製品は、液体調湿剤を利用して温度・湿度を効率的にコントロールする空調機で、中温度域の冷温水を活用し、安定した温湿度環境を実現できます。
調湿液には除菌効果もあり、清潔で衛生的な空気環境を維持でき、低温熱源での運転が可能なため、省エネ性にも優れ、CO₂排出削減にもつながります。工場や物流倉庫などの空間や用途に合せてカスタマイズすることも可能で、様々な施設での導入が進んでいます。
リキッドデシカント空調機にご興味がございましたらぜひ詳細をご覧ください。
工場における熱中症対策は、従業員の健康維持と企業の事業維持・成長において欠かせない取り組みです。従業員の自己管理はもちろん、企業としての環境整備や教育体制の強化も不可欠です。
リキッドデシカント空調機のような高度で省エネ性も高い空調設備の工場への導入は、熱中症対策に大きな効果を発揮するだけでなく、経営面でも様々なメリットがあります。現場の安全と生産性を守るためにも、対策の見直しと強化を検討してみてはいかがでしょうか。